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郷愁漂うレトロな雰囲気を満喫、一度は散策してみたい「播磨の小京都」たつの市

播磨の小京都は風情たっぷり

江戸時代に龍野藩5万3000石の城下町として栄え、今も武家屋敷や白壁の土蔵が残る兵庫県たつの市。「播磨の小京都」と呼ばれる市中心部の街並みは、レトロな雰囲気であふれ、どこか懐かしい郷愁が漂います。一度は散策してみたい観光名所のたつの市中心部を案内しましょう。
紹介するのはたつの市龍野町、平成の大合併でたつの市が誕生する前の旧龍野市に当たります。旧龍野市は三方を山で囲まれ、街の雰囲気も京都に似ています。JR姫新線の本竜野駅で下車したら、揖保川を渡って市の中心部へ向かいます。
最初の目的地が龍野公園にある文学の小径です。たつの市出身で童謡「赤とんぼ」の作詞で知られる詩人の三木露風にちなみ、露風の立像や「赤とんぼ」の歌碑が整備されました。沿道には約3000本の桜が植えられています。春の花見時期には桜のトンネルを通るような感じになり、まさに壮観です。他に童謡の小径、哲学の小径など散策路が整備されています。
文学の小径を抜けた先にあるのが聚遠亭です。桃山時代の書院造りを模した茶室を持つ江戸時代の庭園で、播磨地方を代表する紅葉の名所として知られています。赤や黄に色づいた木々を背景に趣のある茶室が見える景色も必見です。
山麓の龍野城はこぢんまりとした城で、別名が霞城。本丸御殿や多門櫓などが復元され、江戸時代の面影をしのばせます。龍野城から城下町へ向かうと、あちこちに武家屋敷や白壁の土蔵が見え、懐かしい風情が漂います。たつの市は日本を代表する薄口醤油の産地だけに、古い木造の工場が、郷愁をそそります。
市観光協会は龍野公園を起点に市中心部を巡る散策コースを案内しています。初めて訪れた方はそれを頼りにひと巡りすれば、たつの市の魅力を感じることができるでしょう。
たつの市は映画「男はつらいよ」シリーズで名作中の名作とされる「寅次郎夕焼け小焼け」のロケ地となりました。映画は1976年の撮影ですが、当時の風景が今もたくさん残されています。寅さんが歩いた道をたどりながら、小京都の雰囲気を味わう映画ファンも少なくありません。